腰椎分離症は治ったのに、なぜまた痛くなる?|スポーツ復帰後の「再発」を防ぐために

こんにちは。十勝・帯広でATHBASE整体院を運営している、理学療法士の河江将司です。

腰椎分離症の治療を終え、「もう復帰して大丈夫です」と言われて、無事に練習にも復帰できた。

ところが、しばらくすると、「また腰が痛くなってきた」ということがあります。

保護者の方からすると、「ちゃんと治療したのに、なぜ?」と思いますよね。

実は腰椎分離症では、

「治ったこと」と「再発しないこと」は同じではありません。

今回は、腰椎分離症の再発について、研究報告も紹介しながらお話しします。


腰椎分離症は、スポーツ復帰できる子が多い

まず、安心してほしいことがあります。

腰椎分離症は、適切な治療やリハビリを行うことで、多くの選手がスポーツへ復帰できます。

2022年に発表されたジュニアアスリート180人を対象とした研究では、保存療法後のスポーツ復帰率は、

骨癒合を目指した群:98.9%

痛みの改善を中心とした群:97.6%

と、どちらも非常に高い結果でした。

つまり、

腰椎分離症になったから、もうスポーツができない

ということではありません。

多くの選手は、きちんと競技へ戻ることができます。

ただし、ここで注意したいのが「再発」です。


「治ったのに再発する」ことがある

同じ研究では、スポーツ復帰後に腰椎分離症が再発したケースも報告されています。

骨癒合を目指した群では7.4%。

痛みの管理を中心とした群では4.8%。

つまり、

スポーツ復帰できたことと、再発しないことは別の問題

なのです。

「治ったから、もう大丈夫」

だけではなく、

「復帰した身体が、競技の負荷に耐えられているか」

まで考える必要があります。


特に気をつけたいのが「復帰直後」

さらに興味深い研究があります。

骨癒合が確認された思春期の腰椎分離症患者141人を調べた研究では、20人に再発が確認されました。

そして、

再発したケースの80%が、骨癒合後6か月以内に再発していました。

つまり、

「骨が治った」

「スポーツに復帰した」

「しばらくは大丈夫だった」

「その後、また痛くなった」

ということが起こり得ます。

このことからも、復帰直後からしばらくの期間は、特に身体の状態を確認しながら負荷を上げていくことが重要だと考えられます。


なぜ再発するのでしょうか?

ここが一番大切なところです。

再発にはさまざまな要因が関係します。

例えば、

・急に練習量が増えた

・休んでいた期間が長く、身体が競技負荷に慣れていない

・股関節が十分に動かない

・胸椎が動きにくい

・体幹をうまく使えない

・片脚で身体を支える能力が低下している

・疲労が蓄積している

などです。

もちろん、これらがあれば必ず再発するという意味ではありません。

ただ、

腰に負担が集中しやすい身体の状態が残ったまま、競技へ戻ってしまう

ことは避けたいところです。


「体幹が弱い」から再発するとは限らない

腰椎分離症になると、「体幹を鍛えましょう」と言われる方も多いかと思います。

しかし、私は体幹を強くすることだけが答えだとは考えていません。

例えば、

股関節がうまく動かない → その分、腰が動く

胸椎が動きにくい → その分、腰で動きを補う

片脚で身体を支えられない → 腰や骨盤周囲に負担が集まる

というように、

腰以外の問題が、結果として腰への負担につながる

ことがあります。

だからこそ、腰椎分離症の再発予防では「腰だけを見る」のでは不十分だと考えています。


「筋力が戻った=復帰」でもありません

リハビリで筋力を測ることはもちろん大切です。

でも、スポーツでは、「筋力があるか」だけでは足りません。

スポーツでは、あらゆる動作を練習の中で何度も繰り返します。

つまり、

1回できることと、何十回・何百回と繰り返せることは違います。

ここに「疲労」という問題があります。



2026年の研究から見えてきたこと

ここで、非常に興味深い新しい研究を紹介します。

2026年に発表された多施設ランダム化比較試験では、活動性腰椎分離症の10〜19歳のアスリート64人を対象に、

「症状がなくなるまで休んでからリハビリを開始する」

群と、

「診断後7日以内から、痛みや機能に合わせてリハビリを開始する」

群を比較しました。

その結果、早期からリハビリを開始した群では、

・1か月時点で痛みや機能がより改善

・スポーツ復帰が平均38日早い

・12か月間の腰痛再発が少ない

という結果が報告されています。

この研究からも、

「安静か、運動か」という二択ではなく、状態に合わせて適切な負荷を管理しながらリハビリを進めること

の重要性が見えてきます。

もちろん、すべての腰椎分離症に同じ方法が当てはまるわけではありません。

病変の状態や進行度、症状によって治療方針は変わります。

だからこそ、医師の診断と治療方針を確認したうえで進めることが重要です。


再発予防は「復帰してから」が本番

腰椎分離症の治療というと、

「骨を治す」

「痛みをなくす」

というところに目が向きます。

もちろん、これは非常に大切です。

でも、スポーツを続ける子どもたちにとっては、

「復帰した後、どう身体を使うのか」

も同じくらい大切です。

復帰したから終わり。

ではありません。

むしろ、

復帰してから、競技に必要な身体を作っていく。

そんな考え方が必要だと思っています。


ATHBASE整体院では「腰だけ」を見ません

ATHBASE整体院では、腰椎分離症の再発予防を考える際、腰だけを見ることはありません。

例えば、

・股関節の可動性

・胸椎の動き

・足関節の動き

・体幹機能

・片脚での支持能力

・スクワットなどの基本動作

・ジャンプや着地

・競技特有の動作

などを確認します。

そして、

「今の身体が、競技の負荷に耐えられる状態なのか」

を考えます。



腰椎分離症の再発を防ぐために

再発予防で大切なのは、「腰を守って、ずっと安静にすること」ではありません。

また、「体幹を鍛えれば大丈夫」でもありません。

大切なのは、

現在の身体の状態を確認し、競技に必要な能力を少しずつ取り戻し、競技負荷に身体を適応させていくこと。

そして、

疲労が蓄積した状態でも、身体を適切にコントロールできるか

まで考えることです。


まとめ

腰椎分離症は、多くの選手がスポーツへ復帰できる疾患です。

一方で、復帰できることと、再発しないことは別です。

再発を防ぐためには、

・腰の状態

・股関節

・胸椎

・足関節

・体幹

・基本動作

・競技動作

・練習量

・疲労

など、さまざまな要素を考える必要があります。

そして何より、

「骨が治ったから終わり」ではなく、「スポーツを続けられる身体になったか」

という視点が大切です。

もし、

「腰椎分離症は治ったと言われたけど、復帰後が不安」

「また腰が痛くなってきた」

「リハビリは終わったけれど、以前のように動けない」

「再発を防ぐために何をしたらいいのかわからない」

という方は、一度ご相談ください。

ATHBASE整体院では、医療機関での診断・治療方針を尊重しながら、スポーツ復帰後の身体の状態や動作、競技に必要な身体づくりについて一緒に考えていきます。

目指したいのは、痛みがなくなることだけではありません。

その先も、安心してスポーツを続けられる身体です。

ご予約・ご相談は公式LINEよりお気軽にお問い合わせください。

https://lin.ee/U17CGs2i


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参考文献

  1. Kasamasu T, et al. Rates of Return to Sports and Recurrence in Pediatric Athletes after Conservative Treatment for Lumbar Spondylolysis. Spine Surgery and Related Research. 2022.
  2. Tatsumura M, et al. Characteristics of recurrent cases after conservative therapy in adolescent lumbar spondylolysis. Scientific Reports. 2022.
  3. Choi JH, et al. Management of lumbar spondylolysis in the adolescent athlete: a review of over 200 cases. The Spine Journal. 2022.
  4. Immediate physical therapy is beneficial for adolescent athletes with active lumbar spondylolysis: a multicentre randomised trial. British Journal of Sports Medicine. 2026.
  5. Overley SC, et al. Return to Play in Adolescent Athletes With Symptomatic Spondylolysis Without Listhesis: A Meta-Analysis. Global Spine Journal. 2018.

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