「身体が硬い=ケガしやすい」は本当?|スポーツ選手の股関節をATHBASE整体院が考える

「カラダが硬いから、ストレッチしましょう」
怪我をしたジュニアアスリートなら、一度は言われたことがあるかもしれません。
たしかに、身体の柔軟性は大切です。
でも、「身体は柔らかければ柔らかいほどいい」これは、本当に正しいのでしょうか?
今回は、特に柔軟性が乏しくなりやすくなる『股関節の柔軟性』について、少し違った視点からお話しします。
サッカー選手と野球選手。
同じ「股関節」でも、必要な動きは同じでしょうか?
例えばサッカー。
走る。
止まる。
切り返す。
キックする。
片脚で身体を支える。
一方、野球なら、
走る。
投げる。
打つ。
しゃがむ。
競技によって、その競技の中でもポジションによって、身体に求められる動きは違います。
つまり、「正常な股関節の柔軟性があれば、どんなスポーツでもOK」という考え方には無理があります。
実際、2019年に発表されたシステマティックレビューでは、32種類のスポーツ・日常活動における股関節の動きを調査した67研究がまとめられています。
その結果、活動によって必要とされる股関節の動きは大きく異なっていました。
だから僕は、「この子の股関節は硬いな」だけでは終わらせません。
「何のために必要な動きなのか?」を見る
例えば、股関節の内旋が少ない。
だからストレッチする。
これだけでは少し足りません。
大切なのは、「その内旋が、その子の競技動作で必要なのか?」です。
さらに、
・自分で動かせるのか
・誰かに動かしてもらえば動くのか
・動かせるけれど力を入れると動かなくなるのか
・片脚になると動きが変わるのか
・疲れてくると動きが変わるのか
ここまで見ていきます。
同じ「股関節が硬い」でも、
中身は全然違います。
「柔らかいのにケガをする子」もいます
ここは、保護者の方にも知っておいてほしいところです。
股関節が柔らかい。
前屈もできる。
開脚もできる。
ストレッチも毎日している。
それなのに、
膝が痛い。
腰が痛い。
足首を繰り返し捻る。
肉離れを繰り返す。
という子もいます。
なぜでしょうか?
それは、
「動くこと」と「動きをコントロールできること」は違うからです。
股関節は「動かす場所」であり「力を伝える場所」
スポーツでは、
足で地面を押す
↓
股関節を通る
↓
骨盤・体幹へ力が伝わる
あるいは、
上半身・体幹で生み出した力が、
↓
骨盤を通って、
↓
股関節へ伝わり、
↓
脚へ伝わる。
というように、身体は一つにつながっています。
だから、
股関節だけを切り離して考えるのは難しい。
全身がどう連動しているのかを見る必要があります。
では、股関節が硬いと何が起こるのか?
もちろん、動きの制限が問題になるケースはあります。
例えば、スポーツによって必要な股関節の可動域が確保できていない場合。
その不足を別の関節で補うことがあります。
例えば、
股関節が十分に動かない。
↓
骨盤や腰椎が余分に動く。
↓
腰への負担が増える。
というような代償です。
「股関節が硬い子」ではなく「股関節を使えていない子」
僕がスポーツ現場で感じるのは、
「身体が硬い」と言われている子の中には、実は“身体をうまくコントロールできていない”子もいる
ということです。
例えば、
股関節を伸ばしたいのに腰を反る。
股関節を曲げたいのに腰を丸める。
片脚で支えたいのに体幹を大きく傾ける。
こうした動きがあれば、
単純に股関節をストレッチするだけでは解決しません。
必要なのは、「股関節を使う練習」です。
だからATHBASEでは「ストレッチ→終わり」にはしない
股関節の可動域が必要だと判断したら、
ストレッチをすることもあります。
でも、そこで終わりません。
例えば、
股関節を動かす。
↓
その動きを自分でコントロールする。
↓
片脚で使う。
↓
スクワットなどで使う。
↓
ジャンプ・着地で使う。
↓
競技動作で使う。
というように、「動く」から「使える」へつなげていきます。
研究でも「股関節の硬さだけ」で判断するのは難しい
股関節の可動域とスポーツ障害については、多くの研究があります。
例えば2017年のシステマティックレビューでは、アスリートの鼠径部痛と股関節可動域の関係が検討され、股関節の総回旋可動域が少ないこととの関連が示されています。
一方で、研究者らは、ROMの測定値の差が小さいことなどから、股関節の可動域だけを使って将来の鼠径部痛を正確に予測することは難しいとも述べています。
ここは、とても大切です。
研究からも、「股関節が硬い=ケガをする」と単純には言えない。
だからこそ、
「柔軟性」
「筋力」
「動作」
「競技特性」
「負荷量」
などを合わせて考える必要があります。
ATHBASE整体院では
ATHBASE整体院では、痛みがある場所だけを見るのではなく、
「なぜ、その場所に負担がかかったのか」
を考えながら身体を評価しています。
股関節についても、可動域だけではなく、
筋力
片脚での支持
体幹との連動
足部との関係
そして競技動作
必要に応じて、こうした部分まで確認します。
スポーツを頑張る子どもたちが、痛みを繰り返さず、思い切り競技を続けられる身体をつくる。
それがATHBASE整体院の目指している身体づくりです。
まとめ
身体は、「柔らかければいい」わけではありません。
大切なのは、必要な方向に動くこと。
そして、必要な場面で、その動きをコントロールできること。
さらに、競技の中で使えること。
「身体が硬い」と言われたときこそ、ただストレッチをするのではなく、その子に本当に必要な動きは何なのか?を考えてみてください。
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参考文献
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- Charlton PC, Drew MK, Mentiplay BF, et al. Exercise Interventions for the Prevention and Treatment of Groin Pain and Injury in Athletes: A Critical and Systematic Review. Sports Medicine. 2017;47(10):2011-2026. doi:10.1007/s40279-017-0742-y.
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