なぜ身体評価が重要なのか?「みんな同じメニュー」では怪我を防げない理由

前回のブログでは、

「ストレッチだけでは怪我を十分に予防できるとは言えない」

という研究をご紹介しました。

前回のブログはこちらから↓↓

ストレッチだけで怪我は防げる?研究から見えてきた答え

「怪我を予防するためには、しっかりストレッチをしましょう。」 スポーツをしている方や保護者の方なら、一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。 部活動やク…

では、

「何を基準にストレッチやトレーニングを選べばいいの?」

その答えになるのが、

身体評価(フィジカルアセスメント)です。

今回は、身体評価の大切さを、スポーツ医学の研究を交えながらお伝えします。


身体評価とは?

身体評価とは、単に身体が硬いか柔らかいかを見ることではありません。

例えば、

  • 関節の可動域
  • 筋力
  • 左右差
  • バランス能力
  • 身体の使い方
  • 着地動作
  • ジャンプ動作
  • ランニングフォーム
  • 痛みの出る動き

などを総合的に確認し、

「なぜ怪我が起きたのか」

を考えるための評価です。

つまり、痛い場所ではなく、「原因」を探す作業なのです。


同じ膝の痛みでも原因は全く違う

例えば、

同じオスグッドと診断された選手でも、

ある選手は股関節が硬いことが原因かもしれません。

別の選手は、お尻の筋力不足が原因かもしれません。

さらに別の選手は、ジャンプの着地で膝に大きな負担がかかる動きを繰り返しているかもしれません。

症状は同じでも、原因は一人ひとり違います。

だからこそ、

全員に同じストレッチ、

全員に同じ筋トレ、

では改善しないことがあります。


研究からわかったこと

スポーツ現場では、

「身体評価をすれば怪我を予測できるのでは?」

と考えられることがあります。

しかし、

2017年にBritish Journal of Sports Medicineへ掲載されたシステマティックレビューでは、

1つの動作評価だけで怪我を正確に予測できるという十分な証拠はない

と報告されています。

また、広く使用されているFunctional Movement Screen(FMS)についても、

2015年のシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、

FMS単独で怪我を予測する精度は高くない

という結果が示されています。


「予測できない」=「評価は意味がない」ではありません

ただし、ここが非常に大切なポイントです。

これらの研究は、身体評価が意味ないと言っているわけではありません。

むしろ、身体評価は、その選手の課題を見つけるために必要だと考えられています。

例えば、

評価を行うことで、

  • 股関節の動きが少ない
  • 左右で筋力に差がある
  • バランス能力が低下している
  • 着地時に膝が内側へ入る
  • 足首の動きが悪い

など、一人ひとり異なる課題が見えてきます。

その課題に合わせてプログラムを作ることが重要なのです。



一人ひとり違うから、一人ひとり違うプログラムになる

スポーツ障害に限りませんが、「全員に当てはまる正解」はありません。

身体が硬い選手もいれば、柔らかすぎて関節が不安定な選手もいます。

筋力が不足している選手もいれば、筋力は十分でも身体の使い方に課題がある選手もいます。

だからこそ、評価をしないまま同じメニューを行うのではなく、その選手に合ったプログラムを作ることが怪我予防への第一歩だと私たちは考えています。


まとめ

身体評価は、未来の怪我を100%予測するためのものではありません。

本当の目的は、

「その選手に今、何が必要なのか」を見つけること。

ストレッチだけでも、

筋力トレーニングだけでもない。

一人ひとりの身体の特徴や競技特性を評価し、

最適なプログラムを組み立てることが、

怪我を予防し、長くスポーツを楽しむための近道です。

ATHBASE整体院では、理学療法士としての専門知識と最新のスポーツ医学のエビデンスをもとに、一人ひとりに合わせた評価とサポートを行っています。

「何をすればいいかわからない」

そんな方こそ、まずは身体を知ることから始めてみませんか?

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参考文献

  1. Lauersen JB, Bertelsen DM, Andersen LB. The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. Br J Sports Med. 2014.
  2. Whittaker JL, et al. Predicting sport and occupational lower extremity injury risk through movement quality screening: a systematic review. Br J Sports Med. 2017.
  3. Dorrel BS, et al. Evaluation of the Functional Movement Screen as an Injury Prediction Tool Among Active Adult Populations: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Health. 2015.

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