オスグッドに膝サポーターは効果ある?|研究から考える「着けるだけ」では足りない理由

こんにちは。十勝・帯広でATHBASE整体院を運営している、理学療法士の河江将司です。
オスグッドのお子さんの保護者から、よく聞かれる質問があります。
「膝のサポーターって効果ありますか?」
「着けて練習しても大丈夫ですか?」
「オスグッド用のベルトを買った方がいいですか?」
今回は、この疑問について、研究をもとに考えてみます。
結論から言うと「意味がない」わけではありません
まず結論です。
オスグッドに膝サポーターがまったく意味がない、とは言えません。
特に、膝のお皿の下に巻く「膝蓋腱ストラップ」は、運動中の痛みを一時的に軽減する可能性があります。
2017年に発表された小規模な研究では、オスグッドの子ども12人を対象に膝蓋腱ストラップを使用。
片脚スクワットやジャンプなどの動作、実際のスポーツ活動中の痛みを調べたところ、ストラップを使用したときに痛みが軽減しました。[1]
つまり、「サポーターは意味がない」とは言えません。
「サポーター=オスグッドが治る」ではありません
ここが一番重要です。
サポーターによって痛みが軽くなったとしても、
膝の状態そのものを治しているわけではありません。
また、「サポーターを着けたから、いつも通り練習していい」という意味でもありません。
サポーターはあくまで、痛みをコントロールするための補助と考えるのが適切です。
研究全体を見ると、まだ分かっていないことも多い
2021年に発表されたオスグッドの保存療法に関する系統的レビューでは、767件の研究を調べ、13研究を採用しています。
しかし、その中でランダム化比較試験(RCT)はわずか2件。
さらに、研究の質も低~中等度でした。[2]
つまり、「この方法がオスグッドに一番効果がある」と断言できるほどの研究は、まだ十分ではありません。
サポーターについても同じです。
短期的な痛みの軽減を示した研究はありますが、「サポーターを着ければオスグッドが早く治る」というところまで証明されているわけではありません。
ただ、「サポーターを着けると練習中の痛みが少し楽になる」のであれば、補助的に使うことは選択肢になると考えています。
ただし、痛みが軽くなったことを「膝が治った」と勘違いしないこと。
ここは非常に大切です。痛みが隠れているだけなら、練習量や身体の状態によって、また痛みが強くなる可能性があります。
本当に考えたいのは「なぜ膝に負担がかかっているのか?」
オスグッドのお子さんをみるとき、「サポーターを着けるかどうか」だけを考えても、本質的な問題は解決しません。
私が確認したいのは、なぜ、この子の膝に負担が集中しているのか?ということです。
例えば、
・練習量が急に増えていないか
・股関節がうまく使えているか
・足首が十分に動いているか
・着地や切り返しで膝に負担が集中していないか
・成長によって身体のバランスが変化していないか
などです。
オスグッドの原因や関連因子についても、筋肉の柔軟性、膝周囲の力学的要因、反復負荷、足関節の動きなど、さまざまな要素が報告されています。[3]
だからこそ、「なぜ膝に負担が集中しているのか?」を見る必要があります。
「サポーターを着けても痛い」なら、そこを見直す
もし、
「サポーターを着けても練習すると痛い」
「サポーターを外すとすぐ痛くなる」
「休んでいると良くなるけど、練習するとまた痛い」
という状態なら、サポーターの種類を変えることだけを考えるのではなく、運動量や身体の使い方を見直すことが重要です。
ATHBASE整体院では、オスグッドのお子さんに対して、
「膝が痛いから膝だけを見る」
ということはしません。
股関節、足首、体幹、片脚動作、ジャンプや着地なども確認します。
そして、「この子の場合、何が膝への負担を増やしているのか?」を考えます。
サポーターを使うかどうかも、その中の一つです。
必要であれば補助として使う。
必要なければ、無理に使わない。
大切なのは、サポーターを着けることではなく、その子が安心してスポーツを続けられる状態をつくること。だと考えています。
サポーターを使うなら、どんなものがいい?
サポーターを使う場合、オスグッドでは「膝全体をガチガチに固定するタイプ」よりも、膝のお皿の下にある膝蓋腱周辺をサポートする膝蓋腱ストラップ(ニーストラップ)が選択肢になることがあります。
ただし、サポーターはあくまで痛みをコントロールするための補助具。
「着ければ治る」「着けていれば練習を続けても大丈夫」というものではありません。
購入する場合は、サイズや装着位置を確認し、痛みが強くなる場合は使用を中止してください。
まとめ
オスグッドの膝サポーターについて、研究から考えると、
「意味がない」わけではありません。短期的には、運動中の痛みを軽減する可能性があります。[1]
しかし、「サポーターを着ければオスグッドが治る」という十分な エビデンス はありません。[2]
だからこそ、サポーターだけに頼らないこと。
痛みのコントロールにサポーターを使いながら、
・運動量
・股関節
・足首
・身体の使い方
・競技中の負荷
まで考えていく。
これが、ATHBASE整体院が考えるオスグッドへの向き合い方です。
「サポーターを買おうか迷っている」
「着けて練習していいのか分からない」
「サポーターを着けても痛みが続いている」
そんな方は、まず現在の膝の状態と身体の使い方を確認してみることをおすすめします。
関連ブログ
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▶ オスグッドが「休んでも治らない」3つの理由と、即効性を生む最新ケアとは?
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参考文献
[1] Ilbrink S, Zwerver J, van den Akker-Scheek I. The use of a patellar strap in children with Osgood-Schlatter disease: A pilot study on the short-term effect on pain and sports participation. Sport & Geneeskunde. 2017;50(2):14-20.
[2] Neuhaus C, Appenzeller-Herzog C, Faude O. A systematic review on conservative treatment options for Osgood-Schlatter disease. Physical Therapy in Sport. 2021;49:178-187. doi:10.1016/j.ptsp.2021.03.002.
[3] Circi E, et al. The Etiology and Risk Factors of Osgood–Schlatter Disease: A Systematic Review. Journal of Clinical Medicine. 2022;11.


